生活を豊かにする本

会社はなぜ倒産する?会社のヒト・モノ・カネ、バランスが崩れる原因とは。

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この記事のPOINT

『なぜ倒産』(編:日経トップリーダー、日経BP、2018年)を読んで大事だと思ったところのまとめです。

  • 経営者は財務的な知識がぜったい必要。財務的な知識がないと、デリバティブ取引や関係の薄い会社への出資など、取らなくてもいいリスクを取ってしまう。
  • 自社の強みを知ること。自社の強みを知らないと、適切な評価をすることができずに人材を失ったり、強みを自らつぶしてしまうことにつながる。成長をしている時こそ、分析が重要。
  • リスクを細分化できないことは、倒産の原因に直結する。「1社からの受注量が売上の10%を超えないようにする」といったように、リスクを分散・細分化することが欠かせない。

こんにちは、おぎです。

今日は、『なぜ倒産』(編:日経トップリーダー、日経BP、2018年)を読んで大事だと思ったところをまとめます。

この本は倒産してしまった23社の経緯から「経営における失敗の定石」を見つけようとする本です。

元々は『日経トップリーダー』という月刊誌に連載されていた企画を1つの書籍にまとめたものですが、この連載は実に1992年から続いており、その説得力は非常に強いものがあります。

「成功はアート、失敗は科学」と言われるように、失敗はその原因を分析することで自分の境遇に適切に当てはめることができます。

本書の23社の事例は様々です。

  • 中身が伴わないまま急成長し、空中崩壊
  • 社内の強みを知らなかったがために適切な評価ができず、人間関係が崩壊
  • 発注を一社に頼りすぎて、受注できなくなった途端に崩壊
  • 博打に近い設備投資をしたが需要が来なかった

それぞれの経緯や事情は異なりますが、23社の事例を通してみることで、失敗に共通する特徴を学ぶことができます。

この記事では、私なりに、その特徴をまとめてみました。
これから本書を読む方の参考になれば幸いです。それでは行ってみましょう!

倒産する原因は、ヒト・モノ・カネのバランスが崩れること

倒産する原因は「ヒト・モノ・カネのバランスが崩れる」です。

バランスが崩れる原因で共通しているのは3つ。

バランスが崩れる大きな原因
  1. 経営者の財務的知識が乏しい
  2. 自社の強みを知らない
  3. リスクを細分化しない

それぞれの原因について、書いていきます。

経営者の財務的知識が乏しい

経営者には財務的知識が不可欠です。

優秀で信頼のある技術者や開発者であっても、経営者として会社をコントロールする以上、財務を把握しているということは前提条件です。

本書の事例のいくつかは、経営者自身に財務的な知識が無かったことによって「デリバティブ取引や関係の薄い会社への出資」など、本来取らなくてもいいリスクを取ったことがトドメとなっています。

財務的な知識はこうした行動を防止するほか、「どこまでならリスクを取れるか」という判断にも役立ちます。

つまり、設備投資や新規事業の展開、商品開発など、会社の広範囲の業務について潜在的に影響するのです。経営トップに財務的な知識が無いということは、それだけで大きなリスクになります。

会社経営の大前提として、これは必ず押さえておきたいポイントです。

自社の強みを知らない

会社が成長している時こそ、自社の強みのどこにあるのかという分析が欠かせません。

自社の強みを知らないと売上が上がらないどころか、強みとなっていた人材や技術の消失につながり、空中崩壊することすらあります。

本書の中ではいくつかの例がありますが、『こびとづかん』の長崎出版の例が分かりやすいです。

ヒット作を得たにも関わらず、本業以外へ優先的に資金が流出した結果、最終的に担当編集者と出版権を失うという、とんでもない崩壊の仕方をしています

自社の強みを適切に評価することができていれば、長崎出版は倒産することは無かったでしょう。
経営者が自社の強みを知ることの大切さを、しみじみと感じる例です。

リスクを細部化しない

本書で紹介されている倒産事例の大半を占めるのは「過剰な設備投資」や「一か八かの投資で失敗した」というように、過剰なリスクを取ったことが致命傷となっています。

経営者には取るべきリスクを取る度胸は欠かせないのですが、一方で、どんな風に転んでも致命傷とならないようにリスクをコントロールする技術が必要です。

例えば、「1社からの受注量は売上の10%を超えないようにする」というように基準を設けたり「設備投資は、事前に細かい実験を重ねてから段階的に行う」といったように影響範囲をコントロールすることです。

投資は失敗したとしても、二の手、三の手が打てる余力を残すことが大事です。

このリスクコントロールについては、先日読んだ『センスのいらない経営』でも触れられていました。

財務的な知識のところでも触れた、「どの範囲までなら致命傷とならないのか」という見極めとセットでこうした技術を使い、リスクを最小化することで倒産の危険をかなり減らすことができます。

おわりに

今回は、『なぜ倒産』 (編:日経トップリーダー、日経BP、2018年) から倒産してしまった会社の特徴をまとめました。

いかがでしたでしょうか?

本書は23社の倒産の経緯を淡々と書いていく内容ですが、四半世紀にわたって連載してきただけあって、「失敗を他の経営者のために役立てよう」という想いが文章の節々に感じられる内容です。

今回は簡単に3つのポイントをまとめましたが、23社の事例はまったく別々です。
きっとあなたの立場に当てはめることができるエピソードがあります。

「成功はアート、失敗はサイエンス」です。このまとめがあなたに役立てば幸いです。

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