行政書士試験

公物の分類と重要ポイント

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公物とは

公物(こうぶつ)とは、国や地方公共団体などの行政主体によって直接に公の利益のために使われる個別の有体物(物体)を指します。自然公物(たとえば河川)や人工公物(たとえば道路や公園)などが含まれます。公物は、公の目的のために供用されるため、その管理や使用には特別な規制が存在します。

簡単に言うと、公物(こうぶつ)とは、国や市町村がみんなのために使っているものです。例えば、自然のものであれば川や山、人工的なものであれば道路や公園が該当します。

これらの公物は、みんなが使うものなので、どう使うか、誰が管理するかといったルールが特別に設けられています。

具体例を挙げると、公園では夜間の立ち入りが禁止されている場合がありますよね。

それは、公園が公物であり、その使用方法には特別なルールがあるからです。このように、公物はみんなのために特別な管理がされているわけです。

公物の種類

公物は主に以下のように分類されます:

  1. 自然公物: 自然の状態において、すでに公の用に供しうる実体を備えているもの(例:河川)
  2. 人工公物: 行政主体が人工を加え、かつ意思的に公の用に供するもの(例:公園、道路)
  3. 予定公物: 将来的に公の用に供される予定のもの

また、公物は「公共用物」と「公用物」にも分けられます。

  • 公共用物: 公衆の用に供されるもの(例:道路、河川、公園、海岸)
  • 公用物: 行政主体が直接、公の目的に供用される個々の有体物(例:庁舎)
分類説明例示
自然公物自然の状態で公の用に供しうる実体を有するもの河川
人工公物行政主体が人工を加え、公の用に供するもの公園、道路
予定公物将来的に公の用に供される予定のもの
公共用物公衆の用に供されるもの道路、河川
公用物行政主体が直接、公の目的に供用される個々の有体物庁舎

黙示的な公用廃止について

黙示的な公用廃止とは、明示的な宣言や手続きなしに、公物(特に公有地や公道など)が公の用に供されなくなる状態を指します。具体的には、占有者が自主占有を開始した時点から、一定期間が経過すると、その土地や物件は黙示的に公用が廃止されたとされます。このような状態が認められる場合、取得時効が成立する可能性があります。

最判昭51.12.24は、公共の財産について取得時効が成立するかどうかについての判例です。
この事件では、公図上で水路とされている国有地が係争地となり、所有権確認請求が行われました。最高裁判所は、公用物としての実態がない公共の財産について、黙示的な公用廃止がされたものとして、取得時効が成立すると判断しました。

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