国立博物館で開催中の特別展「顔真卿―王羲之を超えた名筆」に行ってきました。
「祭姪文稿」が日本初公開ということもあり、開場前から長蛇の列。それでも、時間を使って見に行くほどの価値がある展示でした。
これほどの書が見られるのは、人生で1回くらいかもしれない。

展示の見所
顔真卿は唐の時代に活躍した人物で、中国では知らない人がいないほどの書の達人。「明朝体」の基礎を作ったともいわれています。
今回の展示では、顔真卿の書がどのように変化したかを豊富な作品から読み取ることができ、彼の感情がにじみ出る書である『祭姪文稿』の真書を見ることができます。
「祭姪文稿」とは
祭姪文稿とは、顔真卿が安史の乱で亡くなった親族のために書いた弔文の下書きです。中国史において名書といわれ、代々の皇帝が大切にした至宝です。
顔真卿は唐側の人間として賊軍に対抗しましたが、多くの親族を亡くします。
特に甥を亡くしたことは非常にショックだったようで、「祭姪文稿」からもそれを読み取ることができます。 書の一文字一文字に感情が込められていることが、筆跡からわかります。
(『亡姪』からは脱力、『賊』からは憎悪、『死』から虚無など)
これほどの書は見たことがありませんし、これからも見る機会はないかもしれない。
展示を見るなら準備しておきたいこと
今回の展示は日本人だけでなく、中国人にとっても非常にインパクトの強い展示です。日本人と同じか、それ以上の方々が来場されています。
いつも以上に準備が必要です。
1. チケットは事前に取得すること
コンビニで事前にチケットを発行することができます。博物館のチケット販売所は長蛇の列の上に外国人への対応でいつもより時間がかかります。
チケットは必ず事前に取得しましょう。
2.開場と同時に博物館に入ること
昼近くの入場ですと、「祭姪文稿」の展示だけで70分待ち(公式発表の数字ですが、実際はもっとかかります)で、しかも博物館に入るの自体に90分ほどかかります。
朝の開場と同時であれば、博物館に入るのも10分で済みます。



3.まっすぐに「祭姪文稿」に向かうこと
理由は2と一緒です。
時間が経てば経つほど並ぶので、まっすぐ「祭姪文稿」を目指しましょう。
終わりに
今回の展示は中国の至宝を見ることができる貴重な機会です。
ぜひ時間を作って見に行ってください。