生活を豊かにする本

差別化の軸は3つしかない! ~『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』の感想~

生活を豊かにする本

マーケティングの本を選ぶのはむずかしいと思ったことがありませんか?

マーケティングは「物を売るための技術」なので、
これと無関係な仕事はほぼありません。

営業であろうとバックオフィスであろうと、
「どうやってお客様に価値を与えるのか」
を知ることは、一体感のある仕事を行うために必要なこと
です。

ところが、そう考えて書店に足を運ぶと、そこにはたくさんのマーケティングの本。
「マーケティング」とひとくちに言っても、業界や売るモノによって
細分化されていて本が沢山ありすぎるのです。

正直どれから読んでいいのか分からなくて悩んでしまいますよね。

確かにマーケティングの内容は、売るモノや業界によって千差万別です。
ですが、他の学問やノウハウと同じように、共通の原則というものがあります。

そういった共通原則について解説している本を最初に読めば、
その後はどんな本を読んでも、「ああ、あの部分の話をしているんだな」
理解がはやくなります。

今回は、そのような共通原則を面白く書いた本をご紹介します!

今回ご紹介するのはこちら。『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』

本書の内容を端的に表すと、この引用となります。

本書を一言で表すと、物語をベースとした
「超わかりやすいマーケティングの入門書」です。

『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』

こちらの本、身近なものへの例えが上手くてハラオチ感が強く、
もっと早く読んでおけば良かったと思いました。

今回の記事では、僕が大事だと思ったポイントを紹介します。

この本で覚えるべき大事なポイント1つ

まず結論から。

本書ではいくつも大切なポイントがでてきますが、僕が一番大事だと思ったことは、
差別化の軸は3つしかないということです。
すなわち、

商品軸 ー競合より早い、安い、便利、で差別化

手軽軸 ー競合より高品質、新技術、で差別化

密着軸 ー競合より顧客の「個別」ニーズに対応した密着感、で差別化

「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」P.126より

この3つです。

そして、この3つのいずれかに一貫性を持って、取り組むこと。
この一貫性をもつという点が、難しい。

多分、3つの軸というのは誰でも理解できてます。
ですが、実際には、

手軽を売りにしているのに、個別ニーズに過剰に応えてしまったり、
高品質を売りにしているのに、安易な割引キャンペーンをしてしまう

といったことがあります。
特に、部門や役割を超えてサービスの目的を共有できていないと、
こうしたことになりがちですね。

しかし、3つの軸が不明確でいると、その商品やサービスが
どういった特徴を持っているのか、お客さんにも分かりづらくなります。
(認知的不協和といって、人間の体は、一貫性のないものには違和感を
覚えるようにできています)

自分のサービスを選んでもらうには、なにかの必要があるときに、
「こういうときはあの商品・サービス!」といったように、
ぱっと浮かぶ選択肢の束に入ることが大切です。

ですが、特徴がわかりにくいサービスは、こうした選択肢に入りにくくなります

この本を読んでいる時、物語の舞台がレストランということもあって、
僕がいつもリピートしているレストランのことが頭に浮かんでいたのですが、
それらは例外なく、この3つのいずれかに専念していました。

例えば、箱根ラリック美術館のレストランLYSは密着軸です。
テラスでのんびりするのが目的のお客さんも多いので、
お客さんの様子を注意深く見ながら、程よい距離感でサービスを行ってます。

僕が大好き川菜館は商品軸。価格と接客はまぁまぁですが、料理が絶品です。

サイゼリヤは手軽軸ですね。

いずれも、3つの軸を同時に追い求めたりはしていないのです。

出来ることなら、3つの軸が全部あれば理想的ですよね!
でも、手軽で安くて、美味しくて、密着してくれるレストランなんて、
そんなのありません!(笑)

結果的に3つの軸を達成するサービスもあるでしょうが、
はじめから全てを求めることは無謀です。
ただお客さんに、ちぐはぐな印象を与えるだけです。

ところが、顧客目線で考えれば当たり前のことを、僕たちは売り手になると
やろうとしてしまいます。
それでは前述の罠にハマってしまいます。

「3つの軸のうちの1つに絞って、それだけに特化した差別化を行うこと」

これを忘れないようにしたいですね!

おわりに

今回は、『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』から、僕が大切だと思ったポイント1点をご紹介しました。

この本で大事なポイント!

差別化の軸は3つだけ!

手軽軸(早い、安い)

商品軸(高品質)

密着軸(個別ニーズに応える)

そして大事なことは、この中からつだけに、ブレずに集中して取り組むこと。

こちらの本、マーケティングが顧客の脳内でどのように行われるのか、
顧客のペルソナ設定はどんな感じでやるのか、プレゼンはどうするか、

といったように、幅広いテーマで書かれている本なので、もっと書きたい
ポイントはあります。でも1点だけにしぼりました。

マーケティングの基礎を、こんなに面白い物語形式で読めるのが良いですね!
あと、主人公のうれたまちゃんが可愛い!

この本には続編があって、『新人OL、社長になって会社を立て直す』です。

なんと、うれたまちゃんが社長になって会社を立て直すらしいので、
これはもう見逃せないですね。また読んだら感想を書きます!

おぎ
おぎ

ここまで読んでくれて、ありがとうございました!

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