子育て・育児生活を豊かにする本

ねんトレは自分に必要か考えて実践しよう~『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』より~

家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド子育て・育児

先日『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』という本を読みました。

この本は、赤ちゃんの夜泣きを改善して、親子でぐっすり眠ろうという趣旨の本です。

赤ちゃんの夜泣きは、いつでも悩みの種です。我が家も、長女が生まれたときは、1時間以上抱っこしてゆらゆらしたり、深夜、風にあたることがよくありました。

パパ友やママ友から聞く話によると、これでもずいぶんマシな方だったみたいですが、それでも赤ちゃんがすんなり寝てくれればどれだけ良いかと何度考えたかわかりません。特に、産後の妻はまだ体力が回復しないうちから、寝かしつけをしなければならなかったので非常にストレスがかかっていました。

その後は寝かしつけを改善しようと、たくさんの育児書を読みました。

結論から言えば、我が家では赤ちゃんの夜泣きを「甘んじて受け入れる」ということになりました。決め手になったのは佐々木正美先生の本から受け取ったメッセージ、「子どもが求めるだけ、与える」という原則。これは、子どもの自己肯定感に直結するので、自分たちのストレスよりも優先度が高いと感じたのです。

そして先月、次女が生まれてこの本を手に取ることになったのですが、率直にいって、この本のメソッド(=ねんトレ)は、限られた状況の方が行うべきかなと思いました。

この本の感想を書いていきます。

ねんトレは一体どういうものか

ねんトレとは、「子どもが一人で寝るようにするトレーニング」です。

ねんトレとは、親のサポートなしに、赤ちゃんに一人で寝つくスキルをつけるためのトレーニングです。

『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』P.10より

内容としては、ルーティンで睡眠のリズムを作り、

ルーティン
  • 朝日を浴びさせる
  • 日中は明るいリビングで過ごす
  • 午前中に散歩する
  • お昼寝を除いて、10時間の睡眠
  • 徐々に部屋を暗くする
  • 寝る一時間前に、お風呂に入る

寝るときのルールで、睡眠の質を高める。

寝るときのルール
  • 夜眠るときは、完全遮光する(エアコンのランプも)
  • 室温は27℃程度を維持(冬は18℃程度)
  • おくるみで、手を動かさないようにする
  • ホワイトノイズを使う(物音に反応しづらくなる)

そして、一人で寝つくトレーニングをする。

一人で寝付くトレーニングはこんな感じ。

赤ちゃんが一人で寝付くようにするトレーニング
  1. ルーティンが終わったら、赤ちゃんを一人で寝かせる。
  2. 赤ちゃんが泣くが、一定の時間がたつまでは、声をかけない。
  3. 時間がたったら、声をかける。この時、赤ちゃんには触れない。
  4. 寝つくまでこれを繰り返す。2→3の時間は徐々に長くなっていく。(7日目以降、最大30分)

ルーティン寝るときのルールは非常に良いものです。育児書にもよく書かれている内容ですし、大人も実践する価値があります。問題は赤ちゃんが一人で寝付くようにするトレーニングです。

なぜ、「赤ちゃんが一人で寝付くようにするトレーニング」が問題なのか

このトレーニングは、一定時間、子どもがいくら泣いても、親が無反応になる時間を作ります。

これは子どもが一人で寝ついて、ぐっすり眠れるようになるためのトレーニングだから、無視とは違います。しかしそれでも、親の心理としてはそれに近いものがあります

はじめての育児書がこの本で、素直に実践できるなら良いです。

しかし、他の育児書を読んだり、WEBで育児のことを調べれば、基本的に「子供を無視する」というのが良くないと分かるようになります。赤ちゃんが目の前で泣いているのをみて、「無反応で良いのだろうか?」という疑問が湧いてくるのです。

当然、本書もエビデンスはしっかりしているので、ねんトレは心の発達に悪影響を出さないとしています。

実は、ねんトレは赤ちゃんの心の成長に悪影響を与えないことは、医学研究によって証明されています。

2012年にオーストラリアのメルボルン大学から発表された研究では、 トラブルを抱える生後7カ月の赤ちゃん326人をランダムに2グループに分け、片方のグループにのみ、ねんトレをしました。

そして5年後に、子どもの精神面の発達や愛着障害を含む親子関係のテストの点数を比較したのです。その結果、2つのグループで点数に差はなく、悪影響がないことがわかりました。

『家族そろってぐっすり眠れる 医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』P.160より

しかし正直、これを読んだ私の感想は「5年後の比較かぁ……」でした。

佐々木正美先生や、明橋大二先生の本を読んでいれば、3歳までの子どもへの接し方が、「自己肯定感」に影響することがわかります。

そして自己肯定感は子どもの社会性に影響し、他人とのコミュニケーションや、自分を社会の中でどのように位置づけるかという、重要な影響を生涯にわたって与えつづけます。子どもの自己肯定感がわかりやすく低下し始めるのは、10歳頃です。

自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ | 子育て
最近、「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになりました。育児に困難を抱える親は、「自己肯定感」の低さが深く関わっているのではないかと私は考えています。つまり、自分に対して否定的な感情が強く、肯定的…

ねんトレによる、子どもの心への悪影響は確かにないのかもしれませんが、私は生涯にわたって影響のある自己肯定感への懸念と、1年もすれば解決する夜泣きの問題をトレードオフにできないと思いました。

ねんトレは、今すぐ睡眠時間が必要こそやるべき

そうはいっても、赤ちゃんの夜泣きが深刻な問題になっている家庭もあります。

  • 「働いていて、眠れないと仕事に影響がでてしまう」
  • 「疲れがたまっていて、子どもの夜泣きに耐えられない」

というように、今、夜泣きの問題をなんとしたいという方もいるはずです。

そういう方は、ねんトレメソッドをした方がいいと思います。親が心理的、体力的に疲弊してしまえば、満足な子育てはできません。ねんトレメソッドは、確かに効果があるようですから、子どもも両親もぐっすり眠れるようになったら、その後のことを考えれば良いです。

終わりに

さまざまな育児書を読んできて思うことは、その育児書の効果がどれくらいの期間に渡って影響するものなのか、考えることが大事ということです。

育児の情報はあふれていますが、むしろ時期と場所によっては不要な情報もあります。

今回の本の内容も良いものですが、自己肯定感という面から見るとまた違って見えます。あらためて情報の見方に気をつけなければならないと感じました。

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