子育てをしていると、子どもをしつけようとしても上手く伝わらない、
なかなか覚えてくれないということに悩むことがあります。
私自身も、子どもがもうすぐ4歳なのでしつけを始めていますが、
うちの子は、どうしても他人にご挨拶をするのが苦手です。
「ご挨拶をすることは、大切なことであること」
「もし、自分が挨拶されなかったら寂しく感じるであろうこと」
「父親としては、挨拶してくれる子が好きであること」
こうした事を伝えてはいますが、まだ身についてはおりません。
こうした時、親として大切な姿勢は、しつけを伝えつつも、
子どもが自分でできるようになるまで、じっくりと待つということ。
できるまでやらせたり、「なんでできないの」と言ってしまうことは避けるべきです。
繰り返し伝えてもなかなか伝わらなかったり、周りからの目が気になってしまうと、
焦りからこうした事を言ってしまいがちです。
ですが、これは、「しつけができていない貴方は嫌い」というメッセージを
子どもに与えていることと同じです。
私が大好きな佐々木正美先生の本から、好きな言葉を抜粋します。
子どもというのは、しつけられる経験を通して、自分で自分の衝動をコントロールする、
自分で自分を管理することができる力が、身に付いていくことに喜びを感じているわけです。子どもは、向上し発達していくことが最大の喜びです。
ですから、教えなくたって、子どもはハイハイするし、寝返りもする、立って歩き始めるし、みんな自分で自分のことをしようとするわけです。
(中略)
言葉でいうか態度で示すかは別として、子どもまかせにしてあげるから自立心が育つのです。
この時の自立というのは法律の「律」を書きます。自分で物事を決めていくという意味ですね。
子どもの自立というものはしつけを通じて育てるのですが、こうしてはいけません、こうしなければいけませんということを、優しく、できるまで繰り返し繰り返し伝えるのです。失敗すれば、また教え伝えるのです。
伝えるところまでがしつけでありまして、いつからできるようになるかは、子ども任せにしてあげるところに、しつけの一番重要な鍵があるわけです 。
『子どもへのまなざし』(P.172,174)、佐々木正美、福音館書店、1998年。
しつけは、繰り返し子どもに伝え続けることで、自然といつか、
自分のペースでできるようになります。
大事なことは、親が焦らず、他人からの視線を気にせず、子ども自身を信じてあげることです。
実は私も少し前まで、子どもが挨拶できないことをもどかしく感じていたのですが、
『子どもへのまなざし』を読んでから落ち着き、今は焦りはありません。
『子どもへのまなざし』を初めて読んだのは、長女が生まれる前でしたが、
4歳を目前にした今でも、子育てのガイドになってくれています。
私にとって、本当に大切な本です。