書評『エンジニアとしての生き方』★★★★☆GOOD!!

読書

タイトル は「エンジニアの生き方」ですが、これからの時代を生きるなら誰でも参考にしておきたい本です。

この本には「これからの世界を相手に成功するために必要なこと」が書かれています。これからの世界とは、誰でも、どこででもビジネスが展開される世界。こうした世界では人材に国境がないから、世界中の人がライバルになります。当然競争は厳しい。そんな世界を、エンジニアとしてどう生きるかに焦点を当てたのが本書です。

著者はWindows95の設計に携わった日本人として高名な中島聡さん。前半はなぜ日本のメーカーが世界で優位にたてないか、後半はエンジニアとしてのキャリアをどう切り開いていくかが書かれています。

日本のメーカーが世界で優位に立てない理由

日本のトップダウン方式の限界

海外で成功したベンチャー企業は例外なく、ボトムアップ型だといいます。
政府や大きな組織から命令されてモノを作るのではなく、少人数の優秀なエンジニアが画期的な製品を作り、社会を大きく動かしていく。
これに対して、日本はトップダウン型の開発が行われています。開発の計画や指示は上から降ってくるから、建築業界のような下請け構造になっています。

こうした構造では、上からの指示に従っていればいいから考えることをしません。しかし、何も考えずに行動するということほど危険なことはない。それは能力だけでなく、やる気を削ります。いけない。

それに、ボトムアップなら広がりは青天井ですが、トップダウンでは行き着く先にも限界があります。

望む結果をなんとしても得る能力

日本のエンジニア業界の構造に問題があると著者は指摘しますが、日本メーカーの製品が悪いとは言ってません。日本の製品が海外で優位に立てないのは、多くは政治力やマーケティング力で負けているからだといいます。
成功したベンチャー企業のCEOたちは優秀なビジネスマンでもあります。自社の製品をスタンダードにするために政治家に働きかけたり、国際的な戦略を仕掛けることにも長けている。

つまり、総じて「望む結果をなんとしても得る能力」が高いのです。
これは出資者の存在があることも大きいですが、職務の遂行に大きな目的意識が伴っているのだと思います。

今後、世界で戦うならこの力は必ず身に着けなければなりません。

エンジニアとしてのキャリアパス

世界を相手に戦うなら英語は必須

世界の公用語が英語なので、当然英語は必須です。

金融業界なんかも、業界の最新情報は英語で出ることが多いので、今後は英語を身に着けている人とそうでない人の間の情報格差は広がるでしょう。

ブログを通して自分の人物やスキルを明示する

著者は人材採用の際にブログを見ることが多いそうです。その人のやっていることや考え、スキルがブログを通して見えるのだとか。そこで、実名でブログを書くことを推奨しています。

実名を晒すことには抵抗がある人が多いでしょう。炎上とかもよくある話です。
しかし、いずれ個人としての能力が上がるにつれて、個人として責任のある発言をしなければならない時が来ます。企業がSNSの投稿をチェックしているなどということはよく言われることですし、普段から責任のある文章を書くなら、最初から実名で書いても良いのかな……なんて思いました。

MBAなどの経営に強くなることも必要

マイクロソフトを始めとした一流企業のエンジニアは、エンジニアとしての能力が高いだけではなく、経営についても強いといいます。
経営ではなくとも、税、法律など、何かしらの強みをあわせ持っていて、能力を掛け算として使っているということが一流エンジニアの特徴なのでしょう。

こうした世界の話を聞くと、たえず勉強しなければ並ぶことができないと感じますね。

終わりに

本書から見えてくる理想の人物像を表現するなら、「本業だけでなく経営についても常に勉強を怠らず、 望む結果をなんとしても得る能力を駆使して、良いものを作ろうとする人 」でしょうか。こうした人物像をブログで発信できるとなお良さそうです。エンジニアに限った人物像ではないですね!

きっとこれからの社会は、造り手と使い手がより近くなります。そうしたときに、上記のような人物像が見えるかどうかに成功の分かれ目がありそうです。

中島聡さんが書いた『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』も、プロトタイプを作ることの重要性がよく分かる良書なので、ぜひ読んでくださいね。

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