皆さんこんにちは。
今日は、私の好きな佐々木正美先生の本の紹介です。『たっぷり甘えてのびのび育つ! 3歳までのかわいがり子育て』。
今回の本も、佐々木正美先生の優しさや愛情が非常にあふれた一冊となっていて、読むたびに子どもを育てる上での初心を思い出させてくれます。
著者はどんな人?
佐々木正美先生は児童精神科医です。
長年、子どもと接した中で、子どもの成長に本当に必要なこと、親としてどんな接し方をすれば良いのかといった悩みに寄り添い、解決してきました。
残念ながら、佐々木正美先生は2017年6月に逝去されたため、もう講演を聴くことはできません。
しかし、「子どもへのまなざし」シリーズをはじめとした著書で、その言葉に触れることができます。
私も、子育てで大事なことは「無条件に愛すること」であることに、佐々木正美さんの本を読んで何度気付かされたことでしょうか……。
今回の本も、気付きの多い内容でしたので、特に私に響いた部分をご紹介します。
過干渉は放任と同じように子どもを傷つける
過干渉とは、子どもが望んでもいないことをやりすぎること。
たとえ、子どもにとっていいことでも、押しつけ続けると、放任と同じように子どもの心を傷付けてしまいます。
『たっぷり甘えてのびのび育つ! 3歳までのかわいがり子育て 』P.65より
これは、例えば子どもがボタンをとめられない時に、サッと大人がとめてしまうようなこと。
私も、子どもが何かをしたがっている時に待ちきれず、手を貸してしまったことが何度かあったので、この部分を読んだときはドキッとしました。
同じ心当たりのある方、沢山いるのではないでしょうか?
ついつい、大人の都合で子どものやりたいことを中断してしまうことがあります。
育児では、「待つ」ということが大切であることに気付かされました。
喜びを分かち合うと、悲しみも分かち合えるようになる
「喜びを分かち合う経験を十分にしたあとでなければ、他者と悲しみを分かち合う感情は発達しない」ということ。
悲しい体験をした人が、他者の悲しみをわかるのではないのです。
『たっぷり甘えてのびのび育つ! 3歳までのかわいがり子育て 』 P.137より
この部分、私は逆だと思っていました。
悲しい体験があれば、他人の気持ちがわかると思っていましたが、そうではないのです。
だから、友だちをいじめてしまうような子どものように、他人の悲しみがわからない子どもは、喜びを分かち合う体験や無条件で愛情を受けるような体験が足りていないのです。
そういう子どもたちほど、愛情が必要であるということを忘れないようにしたいですね。
子どもは「今」を生きている
忘れないでください。子どもは「今」を生きています。
『たっぷり甘えてのびのび育つ! 3歳までのかわいがり子育て 』 P.142より
子どもをみていると、「今、これがほしい!」「今、これで遊びたい!」というエネルギーを強く感じます。すべり台に向かってダッシュする、おもちゃ売り場で騒ぐ、など……。
時々、そのエネルギーが大人を困らせることもありますが、それは子どもがそれだけ「今」に集中している証拠でもあります。
だから、子どもの欲求に「今」応えてあげるということは、とても大事なことです。
子どもの欲求を保護者がすぐに叶えてあげることで、子どもは無条件に愛されていることや、自分はありのままで良いということを実感することができます。
その実感の積み重なりが人間としての土台となります。
おわりに
佐々木正美先生の本では、いつも2つのことが強調されてきました。
- 子どもの自尊心を傷付けないこと
- 子どものありのままの姿を認め、無条件に愛すること
『3歳までのかわいがり子育て』は文庫本サイズでありながら、今までの本で一番、この2点に特化して書かれた内容だと思います。
佐々木正美先生の本が初めての方には、先生の伝えたい大事なポイントがわかり、もう何度も読んだという方には復習となります。すべての人に読んでほしい、オススメの本です。